2014年5月21日水曜日

長野市のコシアブラ

「黒姫駅前みんなの測定所」では5月の連休中もやすまず眈々と測定をつづけてきましたが、ここにきて長野市の「コシアブラ」の放射能濃度の「基準値越え」が大きな話題になっています。ちょっとした「騒ぎ」にまで発展した最大の理由は件のコシアブラの採取地が「長野市」としか(県から)明かされなかったことからでは無いでしょうか。

「長野市」はたいそう広い地域にわたっており、長野市のコシアブラ全てが基準値越えで無い(或はさらに高い)かも知れませんし、春の山の味覚をほんの少しでも愉しみたい方々もきっといらっしゃると思います・・・もっとも、放射能汚染に留意されて居る方には「基準値」なぞは問題外の高さと認識していらっしゃるに違いありませんが。

私たちの測定所でも19日に話題の「コシアブラ」を測定いたしました──

1件は(長野市の) 飯縄山南麓で採られたもので、これからは基準値 10%オーバーの福島原発事故由来と考えてもいい放射性セシウム137と134が見られました。私たちの測定器の特性からみてもほぼ確定的な結果と考えています。

もう1件は黒姫山麓のほぼ新潟県境に近い辺りで採ったものでしたが、こちらからは基準値のおよそ1/4の放射性セシウム137が見られました。測定値そのものは妥当かとおもわれますが、セシウム137のみということから、その由来についてはなお検討を要します。

ところで今回の事態に際して、県下のベクレルチェッカーズ間での情報交換から、コシアブラは特に重金属類を吸収する特性をゆうしている研究結果のあることを知りました。そうしたコシアブラの特徴から特にセシウムを吸い上げているものと推測されています。それを裏付けるように同じようなところから採られたウドやタラノメからはコシアブラのような顕著な例は(いまのところ)見られません。またコシアブラの重金属吸収は葉の成長にあわせて盛んになるようでもあり、新芽のころだったら比較的蓄積されていないかも知れません・・・が、大地の放射能汚染の実態は極めて斑であることから、安心して野の贈り物をいただくには前もって調べることが願わしい、そういう現実になっていることは念頭におくべきでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿